この記事では、リライトの目的や効果、実践方法を解説します。
記事のリライトは、ブログのアクセスを増やすために欠かせません。記事を書いて放置するのではなく、検索順位やアクセス状況を見ながら、改善の余地がある記事に対して加筆・修正をしていくことが重要です。
アップした記事がすべて順当にアクセスを稼いでくれれば話は簡単ですが、現実問題、そんなことは起きないわけです。競合の存在やGoogleのアップデートなど、外部の要因にも左右されるので、シミュレーション通りにはいきません。
だからこそ、リライトを前提としたブログ運営が求められます。
紙媒体とは違い、ブログなどのWebメディアは修正が容易です。そのメリットを活用して、記事のパフォーマンスをどんどん上げていきましょう。
リライトとは?
リライトとは、ブログに掲載している記事を書き直す作業のことです。
具体的な作業内容としては、
- タイトルや見出しの修正
- 本文のテキストの加筆・修正
- 画像や動画の追加
などが挙げられます。
厳密に言うと、記事の内容(文意)を変えずに文章を書き直すことがリライトだと定義されますが、ブログ記事のリライトの場合は、内容を大幅に変更することもあります。場合によっては、元記事の原型がなくなることもあるでしょう。成果を出すために必要なことはすべてやる、というスタンスです。
ちなみに、単純な誤字脱字や日本語の言い回しなどの修正は、リライトとは言いません。
リライトを実践する目的
ブログ記事のリライトと言った場合、SEO目線でのリライトを指すことが多いです。
順位が振るわない記事を加筆・修正することで検索順位を上げ、アクセス数を増加させることが目的になります。この目的を忘れてはいけません。
「なんとなく気に入らないから」という理由で記事をリライトしても、アクセス増加につながらなければ無意味です。よくよく調べたらすでに上位表示していて、リライトの必要などなかった・・・ということもあります。下手をすれば、余計な修正によって順位を落として、アクセス数が減ってしまうこともあるでしょう。
だからこそ、記事を加筆・修正することで検索順位を上げ、アクセス数を増加させるという目的意識が重要なのです。
この目的意識がないと、自己満足・感覚的なリライト作業になります。次の章で詳しく解説しますが、リライトは非常に精密な作業です。ロジックを理解して、一つひとつの工程を正確に実行しないと、成果は出ません。
リライトの実践方法・流れ
ここからは、リライト作業の具体的な実践方法を解説します。
ステップ1. 対象記事の選定
まずは、リライト対象の記事を選びます。以下の基準を満たした記事を選定しましょう。
検索順位が20位以降である | 20位以内であれば、時間の経過で順位が上がる余地はあるので、少し様子を見ましょう。 |
順位上昇によってアクセス増加が見込める | 順位が改善してもアクセス増加につながらないキーワードの記事は優先度が低くなる。検索ボリュームをチェック。 |
公開から3ヶ月以上経過している | 公開から3ヶ月以内の記事は順位が安定しない傾向にあるので、少し様子を見ましょう。 |
記事の検索順位は、無料ツールであれば、GoogleサーチコンソールやSEOチェキなどで調べられます。
Googleサーチコンソールを使う場合、検索パフォーマンスの画面で、平均掲載順位20位以降のクエリをクリックします。
その後、「ページ」のタブをクリック。クエリと紐づいている記事URLがわかります。
SEOチェキを使う場合は、「検索順位チェック」のタブをクリックして、調査したい記事URLと順位を調べたいキーワードを最大3つまで入力します。
これで、GoogleやYahoo!の検索順位が表示されます。
有料ツールであればAhrefsやGRCが便利です。特にAhrefsは、検索順位だけでなく獲得トラフィック数や検索ボリューム、キーワード難易度など、さまざまな指標を一度にチェックできます。
リライト対象記事の選定が楽になるので、ブログを本格的に運営するなら、ぜひオススメしたいツールです。

ステップ2. キーワードの検索意図の調査
リライト対象の記事が決まったら、次はキーワードの検索意図(インテント)の調査です。
検索順位が振るわない原因の多くは、検索キーワードの意図と記事内容がズレているから。検索ユーザーの求める内容になっていないのです。
文章の読みやすさ・わかりやすさといった話以前に、検索意図に沿った内容に修正しないと、検索順位は上がりません。リライトとは、極端に言えば、検索意図と記事内容のズレを解消していく作業です。それくらい、検索順位への影響度が大きいです。
キーワードの検索意図を調べるには、記事の対策キーワードでGoogle検索して、TOP10の記事タイトルをチェックします。

方法、コツ、手順といったタイトルが並んでいるので、キーワード選定の方法やコツを順序立てて説明すればいいとわかる
あとは、関連キーワードを調べるのもオススメです。
Googleサジェストキーワードをチェックしたり、Google検索結果の「他のキーワード」を参考にするといいでしょう。

Googleサジェストキーワード

Google検索結果の「他のキーワード」
キーワードの検索意図を把握したら、リライト対象の記事を読み返してみましょう。検索ユーザーのニーズへの回答が不足していたり、ニーズと関係のない余計な内容が多かったりするのに気づくはずです。
ステップ3. 競合との差分を調査
次は、リライト記事と競合記事との差分を調査しましょう。
TOP10の競合記事が扱っている情報の網羅性を確認します。
情報の網羅性が競合記事と比べて大きく劣っていると、上位表示は難しいです。同等以上の網羅性にして差分を埋める必要があります。
ポイントは、単純な文字数ではなく情報量をチェックすることです。H2やH3などの見出しをチェックしましょう。見出し(hタグ)抽出ツールを使うと便利です。

抽出する見出しレベルを選択し、対象キーワードを入力して、「検索上位サイトから抽出」 をクリック

TOP10の競合記事の見出しを一括抽出して、CSVでダウンロードできる
競合の見出しをそのまま真似する必要はありませんが、複数の競合記事に共通して出てくる見出しは重要です。検索意図を満たすために、記事に必ず存在すべき情報なので(Googleもそう判断している可能性が高い)、リライト記事にも盛り込むことをオススメします。
また、競合ページにはない独自の情報(オリジナル要素)を入れることも検討しましょう。独自の事例や主観的な意見・見解、統計データなどです。検索意図に沿ったものであることは大前提ですが、オリジナル要素を記事に含めれば、競合との差別化になります。
ステップ4. 構成案を作成
ステップ2、3で調べた内容をもとに、リライト記事の構成案を作成します。
このような形で、キーワード、タイトル、見出し、見出しに含める内容をまとめましょう。構成案の作り方は、以下の記事で詳しく解説しているので、併せて確認してみてください。

ステップ5. リライト実行
作成した構成案に沿って、リライト記事を執筆します。
- 検索ユーザーの知りたいことを真っ先に書いているか?
- 結論 → 理由の順番で書かれているか?
- 見出しにキーワードは適切に含まれているか?
- 検索意図と関連性が薄い余計なテキストは多くないか?
- パッと見たときに読みやすいか?
- 文章は論理的でわかりやすいか?
といった点を意識するといいでしょう。以下の記事に、細かなライティングノウハウをまとめているので、ぜひ執筆時の参考にしてください。


また、リライトが完了して記事を更新したら、更新日時も表示しましょう。
情報の鮮度が重要視される記事の場合、更新日時を表示して読者にアピールすることが有効ですし、Googleからも良い評価を得られるかもしれません。WordPressなら、「WP Last Modified Info」というプラグインで実装できます。
ステップ6. 効果検証
リライト記事を公開したら、GoogleサーチコンソールやGRC、Ahrefsなどのツールを使って、検索順位を定期的に追跡しましょう。
Googleサーチコンソールを使う場合、検索パフォーマンスの画面で、「検索キーワード」と「ページ」のフィルタを追加します。
これで、対策キーワードにおける、リライト記事の順位をチェックできます。
効率面で言えば、GRCやAhrefsなどの有料ツールには劣りますが、計測するキーワードや記事数が少ないなら、サーチコンソールでも十分です。
検索順位は毎日微妙に変化するものなので、日々の細かな変動はあまり気にする必要はありません。1週間、1ヶ月などの頻度でチェックすれば大丈夫です。
リライトの効果を高めるポイントや注意点
ここまで、リライトの大まかな流れを解説してきました。最後に、リライトの効果を高めるポイントや注意点をご紹介します。
まずは小さく始める
リライトをおこなう時間や工数が取れない・・・
そんなときは、簡単に実行できる施策から始めるのがオススメです。たとえば、タイトルの変更。SEOキーワードを意識していなかった場合、キーワードを意識したタイトルに変更するだけで、順位が上がることも多いです。
ちなみに、タイトルの変更は非常にインパクトが大きいです。簡単にできるからといって、効果が低いわけでは決してありません。費用対効果は抜群なので、ぜひ試してみてください。

類似記事は1つにまとめる
同じような内容の類似記事が存在することで、検索順位が低下している可能性もあります。
たとえば、
「seo キーワード 選定」
「seo キーワード 探し方」
「seo キーワード 選ぶコツ」
このようなキーワードは、単語が微妙に違うものの、検索意図はほぼ同じです。検索意図が同じ複数のキーワードで、同じような内容の記事を書いてしまうと、内容重複によってGoogleから評価されづらくなります。
類似記事が存在する場合は、内容を1記事に統合させる形でリライトしましょう。
その際、検索順位やアクセスの数値が最も高い記事をリライト対象にして、残りは、その記事に対して301リダイレクトさせてください。一番パフォーマンスが高い記事に評価を集中させることができます。

リライトは万能ではない
リライトは万能ではありません。
検索意図に沿った内容に修正したり、競合との差分を埋めたりしても、検索順位が上がらないこともあります。
そもそも、検索順位はコンテンツの内容だけで決まるものでは決してありません。
ドメインの力やブログの権威性なども関係してくるので、キーワードによっては、どんなにリライトを頑張っても成果が出ないこともあるはずです。
「とりあえずリライトしよう」ではなく、「リライトで本当に成果が出るのかどうか?」を検討してから着手することをオススメします。
判断基準は簡単です。
キーワードでGoogle検索をして、TOP10のページのドメインをチェックします。公的機関や大企業のドメインばかりなら、非常に厳しいと言えます。また、Amazonや楽天などのECサイトが多い場合は、そもそも記事ページで上位表示させるのは不可能です。
逆に、個人ブログが多ければ、コンテンツの内容で勝負できる余地はあるので、リライトを検討してみましょう。
まとめ
今回は、ブログ記事のリライトでアクセスを増やす方法をご紹介しました。
以下の手順でリライトすることで、記事の検索順位を改善して、アクセスを増やすことができます。
- 対象記事の選定
- キーワードの検索意図の調査
- 競合との差分を調査
- 構成案を作成
- リライト実行
- 効果検証
ブログ運営はリライトが前提です。どれほど力作の記事を公開したとしても、順当にアクセスを稼げるとは限りません。
成果が出るかどうかは、記事を公開してみなければわからないので、6割くらいのクオリティで公開して、順位状況やアクセス数を見ながら改善していく方法がいいかもしれません。いずれにせよ、公開して放置してはいけません。
ある程度の記事数がストックされるまでは、新規記事の執筆に集中するのがいいと思いますが、記事が溜まってきたら、パフォーマンスの悪い記事のリライトをぜひ検討してみてください。